火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

少女終生

悪臭。

腐った脳味噌を容器に入れて歩いている。

狭い教室には黴と性病が蔓延し、顔の無い男女は永遠に性交を続ける。

世界の秩序は失われた。

どこもかしこも狂っている。

どこもかしこも濁っている。

発する言葉はこれで正しいのか。

聞き取る音は言葉なのか。

獣と人間の区別もつかなくなった都市で、私は呪い続ける。

死んだ都市を。

巡礼の年を。

自分の歳を。

行き過ぎた私は死ぬべきだ。

生き過ぎた私は死ぬべきだ。

さあ。さあ。さあ。

広いグラウンドにはピンクの染みが模様を作っている。

破裂したような模様が。

高い屋上には沢山のローファーが並んでいる。

露店でも開けそうなぐらいに。

靴箱には色褪せたラブレターが入っている。

封は閉じたまま。

世界は狂っている。

世界は濁っている。

歪んだアスファルトの通学路。

赤色しか点かない信号機。

ブレーキが効かない交通事故。

恐らく生の文字はどこにもない。

死体の山が川を堰き止める。

顔の無い男女は永遠に性交を続ける。

顔に無数にガラス片が刺さった子供が生まれては死んでいく。

空は真っ黒。

喪に服すかのように。

空は真っ黒。

私は死ななければいけない。

私は死ななければいけない。

新しい世界への一歩と、世界に終りを告げる一歩とを、私は同時に踏み出す。

さよなら、世界。

そして。

はじめまして、世界。