火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

夕暮れ再教育

「はぁ…んっ」

私は今、保健室のベッドの上にいる。

もう夕陽がこの部屋の中まで差し込んで来て、白いカーテンを橙に染める。

私は毎日この保健室で『ひとりあそび』に耽る。

先生の広い部屋に忍び込んで、先生と同じ空気を吸い、先生の質感を味わいながら――――、私は指を動かす。

でも先生は女の人。

私の恋人は、女の人。

叶わない恋に、私は酔っ払ってしまってます。

 

戸が開く音。

「…ふぅー」

私はどきりと身を震わせる。

先生の声だ。

いつの間に時間が経っていたのだろう。

背中にじっとりとした汗をかきながら、私は、先生に意識を向ける。

さらさらと何かを書く音。

先生は机で作業をしているみたい。

おそるおそるショーツに手を伸ばす。

息をこらえて端を括り上げようとしたその時。

がたんっ。

先生が作業をやめて立ち上がった。

声を上げて驚きそうになる。

かつかつと靴の音。

近づいてくる先生。

私はショーツを半分上げたまま、気配を消そうと必死に息を殺す。

目をつむって、通りすぎるのを待つ。

 

夕陽の色がいっぱいに入って来る。

目隠しの白いカーテンが開いた。

「やっぱりお前か」

先生は少し意地悪な笑みを浮かべている。

「せ、せんせっ、違うんです、その」

赤縁の眼鏡が艶っぽく光り、私は全て見透かされている気分になった。

「ふうん?お前は保健室のベッドを自分の愛液で濡らしておきながら、まだ言い訳をしようというんだな?」

「先生は悲しいぞー。生徒が目の前で自慰行為とは」

底の厚い室内履きの靴を鳴らしながら、先生はベッドの周りをぐるぐる歩く。

「せんせぇ…っ」

蚊の鳴くような声とは、このような声のことだろう。

私は最大限の気持ちを振り絞って、懇願する。

「ゆるして、ください…」

歩が止まる。

先生はまたにぃっと笑って、

「じゃあ、私の前でオナニーしてみせろ」

と言い切った。

「どうした?いつもここでしてるんだから出来るだろう?」

先生は私の下げたままになっていたショーツの上を見凝めていた。

「ほら、早く」

ごくっと唾を飲み込むと、私は、震える指を伸ばして、熱を帯びた器官に触れた。

「はぁっ、はっ」

先生に見られている。

その事実が、なにより私の指を動かせる。

「おい、よく見えないぞ。先生にもっと良く見せてみろ」

先生は私の脚を掴むと、ぐっと左右に開いた。

「いやぁっ…先生、ひどいです…っ」

嗜虐的な笑み。

「いいか?これは罰なんだ。お前はイケナイことをしたんだよな?じゃあ何でお前は気持ち良くなってるんだ?」

「違いますっ…気持ち良くなんかっ」

「嘘だ」

「嘘なんかじゃ…んっ」

「じゃ、その指はなんだ?止まらなくなってるじゃないか」

「そーかそーか、お前はどうしようもない変態生徒なんだな」

「いやっ…違っ…ぁあ」

気付けば、いつもより水音が大きくなっている。

「うっわあ、凄い量」

「なんだ?見られて感じてるのか?」

綺麗な眼が私の拙い指を見る。

「感じてなんか…ないっ、ですっ」

「感じてるだろ?このド変態が」

「そんな、こと、ないっ…ですっ」

「ああもう、言っちゃえよ。『私は見られて感じるド変態レズビアンです』って」

「いやっ…ですっ、んぁっ」

「私は教師だぞ?逆らっていいのか?」

私は辛うじて活きていた理性を使って、言葉を紡ぐ。

「わ、っ私はぁ」

「お前は?」

「見られてっ、感じるっ」

先生の手が私の蕾に触れた。

「ド変態っレズビアンですっ、ぅううぁんぁんっ!」

 

「はぁ…んっ…はぁ」

鼓動が段々と遅くなり、私は真っ白になった頭を徐々に切り替えていく。

「先、生…?」

先生はベッドの脇に、回転椅子に座っていた。

「…お前がどうしようもない生徒ってのは分かった」

緊張が走る。

「だから、また私のところに来い。教育してやる」

 

「最後のは、ご褒美だからな」