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火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

秘密

遠くから聴こえるお祭りのざわめき。

私達はその夜、「友達」じゃ、なくなった。

 

「ん…」

息苦しいような声を上げ、二人はその口を解いた。

目は熱を帯び、吐息は少し荒っぽい。

「ねえ…」

顔が近づく。

「もっと顔、寄せて」

女の子の匂い。

その甘い、しかし攻撃的な香りを堪能しながら、私は嗜虐的に耳を舐める。

「ああっ」

くすぐるような嬌声。

 

人気のない神社の暗がりで、二人は危険な遊びに手を染める。

祭り囃子はいつの間にか止んで、寂しく。

月には雲がかかり柔らかく。

二人を包んでいる。

 

私は、目の前の「恋人」に秘密の言葉で囁いた。

私は。

いや、私達は。

もう、踏み留まれない。