火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

『』 [初出:2012/10/27]

まったく嫌になる。

懐古主義のプロパガンダの、何処が『メッセージ』というのだろうか。

『ルールを守る』ことは、『飼い慣らされる』ことなのだろうか。

貴様に、この国を語る権利があるのだろうか。

私は溜息を一つついて、イヤホンを取る。

ただただ退屈な深夜ラジオ。

何が、何が私をそうさせるのかはわからない。

ただただ、血を流す手首を眺めていた。

『血』『ラジオ番組』『カッターナイフ』

 

 

政府に噛み付くことが格好いいのだろうか。

リテラシーも無い奴がメディアに関わっていいのだろうか。

お前に、何を語る権利があるのだろうか。

癖になってしまった自傷行為。

しかし私は、悪い気がしない。

体を巡る毒を、血液に溶け込む嫌なものを、排出する。

無意識のうちに再びイヤホンを着けていた私は、どうにも下らない政治批判を聞き流す。

『イヤホン』『血』『毒=ストレス』

 

 

自分とは。

所詮ちっぽけな存在でしかない。

この耳障りなラジオ番組も、私以外の『支持者』(スポンサー)によって望まれているから、電波に乗っているのだ。

私の支持者は、誰。

私の支持者は、いるの。

他でもない、私の。

『ラジオ番組』

 

 

私のいない世界。

私の要らない世界。

それはきっと綺麗で、空がずっと澄んでいて、それで―――。

 

きっと、通常で、平常で、無常だろう。

 

 

 

 

私。

私は。

世界に要るのだろうか。

私に世界は要るのだろうか。

私は――――。

『血』『カッターナイフ』『血』『椅子』『私』