火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

連作集:少女終生

回顧録:連作集 少女終生

鎖骨氏に頂いたお題からどんどん派生して連作になった系短編の集いが「連作集 少女終生」。 まあ一つづつ解説だったり書いてて思ったことなど綴っていきます。 一応ネタバレ注意でお願いします。 ・「少女顕現 (改題:鎖骨の下)」 お題をまんまタイトルに持…

少女再生 〈連作集:少女終生 了〉

温かく、透明な液体に包まれている。 ここは暗い。 一定のリズムが私を揺らす。 ただただ幸せな時間。 闇の中、私は来るべき時を待つ。 どれくらい時が経ったろう。 どれくらい私は揺れたろう。 私を包む殻が破れる。 冷たい、光る、爪が私を掴む。 やめろ。…

少女終生

悪臭。 腐った脳味噌を容器に入れて歩いている。 狭い教室には黴と性病が蔓延し、顔の無い男女は永遠に性交を続ける。 世界の秩序は失われた。 どこもかしこも狂っている。 どこもかしこも濁っている。 発する言葉はこれで正しいのか。 聞き取る音は言葉なの…

少女変貌

着飾る私は肌にアクセサリーをつける。 生放送は笑い声。 タイムラインはエゴまみれ。 失望。 この世なんてゴミだ。 神様の生ゴミだ。 絶望。 魔法みたいに流れる液。 内腿を伝って流れる液。 存在が無意義に成った今、これ以上病む必要があるのか。 だから…

少女悪逆

「イライラしていた」 「誰でも良かった」 「今は反省している」 罪の意識などない。 残るのは記録だけ。 そこに心情は介在しない。 飼い殺された精神に傷がつく。 あーあ。 もたつく空気をスタバのモカフラペチーノと一緒に飲み込む。 苦い苦い苦い気持ちを…

少女自撮

透明な液をだらだらと垂らす自分と、それを見る自分。 赤い液をどくどくと流す自分と、それを見る自分。 一部を切って売って、私は生きる意味を得る。 とっかえひっかえして、私は生きる。 私は見ている。 切り取っている。 切り取った「それ」からは命の匂…

少女凍結

昔地球は凍ったそうだ。 今私は冷えかかっている。 世界に温度を吸い取られて。 芯まで。 私を凍らせようとする人はいない。 誰も。 その無関心が、私を冷やす。 知らず知らず、凍っていく。 誰も。 私を温めようとする人はいない。 心まで。 世間に温度を飲…

少女幻像 【初出:2013/08/10】

少女はその女性用下着を身につけた時、とても大きな危機を感じた。 「自分はもう、こんなにも成長してしまったのか」。 恐ろしい程に自分は成長してゆく。 少女は、時間の流れを呪う。 自分の清廉を奪う時間を。 少女は、組み立てられる都市を呪う。 汚染と…

少女顕現 (改題:鎖骨の下)

少女には秘密がある。 右の手首と鎖骨の下。 その硬い四角の存在に気付いたのはもう三ヶ月程前の事だろうか。 皮膚の奥、指先に乗るような大きさの四角形。 同じ頃、私は私の手首を切った。 なんとなく、切った。 それは突風のような感情で、理性より先に刃…