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火気厳禁の書斎

名は体を表す。です。

百合

回顧録:あすれつシリーズ 二年生編

去年から書いていた森永あすか×寒堂冽子の百合シリーズが「愛し貴女へ」で一応一区切りを迎えました(?)のでここらで一つ解説というかおさらいというか。 各話ごとにテーマ曲をつけたりなんかも(勝手に)してますのでその辺も書いていきたいと思います。 ・「…

愛し貴女へ

冬の空は澄み切った空気と太陽の光だけもたらす。 冷たい風は今日はお休みみたい。 つなぐ手を確かめると、こっちに引き寄せた。 「先生、次はどこに行きます?」 いつものつまらなさそうな顔をして、先生が付いて来る。 「あー、何でもいいから手を離せ」 …

愛か恋か慰み者

六角鉛筆でマスを埋める。 「はぁ…」 もう三日も学校に来ていない。 あいつは何をやっているのだろうか。 一応、保健室には全生徒の出欠名簿が届く。 私に解ってることぐらいあいつも承知だろう。 なんでこんな馬鹿げた真似を。 気付けば貧乏揺すりをしてい…

少女が少女であるうちに

生きているこの体が惜しい。 考えるこの頭だけ、ここに有れば好い。 記憶も感情も何もかも取っ払って、思考したい。 嗚呼、暖かな感覚が脳に伝わってくるそのコンマ数秒が惜しい。 「先生」 云々言ってないで早く入れ。 マンションの自動ドアを開ける。 あの…

暁ばかり 憂きものはなし

先生は優しかった。 大学二年、先生は私の前から去った。 あたしの心に、深い深い傷を残して。 先生と関係を持った。 それだけ。 一方的に断たれた。 それだけ。 体も心も寄りかかっていた。 私が悪い。 あの夜も、あの言葉も、私が悪い。 あの夜。 あの言葉…

彼女は無慈悲な私の先生

「…」 午前0時。 私は半分開いたドアの前、確実な返事を待つ。 「…仕方無いな、入れ」 廊下の闇が、室内の光を呑み込んだ。 この二日間、私は学校行事の泊まりがけ遠足に来ている。 無論保険医の先生も一緒だ。 『将来学習』がこの遠足のテーマだけれど、私…

威厳×純潔×無垢

「まーた怪我したのか」 先生の冷たい眼。 「ちょっと転んじゃって」 えへへ、と顔がほころぶ。 そんな私を見て、先生は余計に嫌な顔をする。 「ほら、早く見せてみろ」 「はあい」 救急箱の中から絆創膏と消毒液とガーゼ、慣れた手つきで取り出すと、「ここ…

夕暮れ再教育

「はぁ…んっ」 私は今、保健室のベッドの上にいる。 もう夕陽がこの部屋の中まで差し込んで来て、白いカーテンを橙に染める。 私は毎日この保健室で『ひとりあそび』に耽る。 先生の広い部屋に忍び込んで、先生と同じ空気を吸い、先生の質感を味わいながら――…

秘密

遠くから聴こえるお祭りのざわめき。 私達はその夜、「友達」じゃ、なくなった。 「ん…」 息苦しいような声を上げ、二人はその口を解いた。 目は熱を帯び、吐息は少し荒っぽい。 「ねえ…」 顔が近づく。 「もっと顔、寄せて」 女の子の匂い。 その甘い、しか…

告白

「俺の女になれよ、龍田」 天龍ちゃんは私を壁際まで追い詰めて、こう言った。 「で、でも…」 私にとって天龍ちゃんは大切な仲間。 それも一緒に生き死にの境を潜り抜けるような、とにかく強い絆で結ばれている。 でも、それは恋じゃない。 愛じゃない、と思…

無題

鎮守府弓道場では、今日も正規空母達が演習をする。 道場には私と赤城さんの二人きり。 「珍しいですね、今日は二人ですか」 と赤城さん。 私は少しドキドキしながら、「ええ、赤城さん」と返事する。 この時を待ち望んでいたとはいえ、急に二人きりとは…。 …